新しくわんちゃんを家族に迎えました……………でも予防とか何をどうしたらいいの?って人結構いると思います
今回はそんな病気の予防について書きたいと思います
混合ワクチン注射について
生まれたての子犬は初乳を飲むことで母犬の免疫を受け継いで(これを移行抗体と言います)、しばらくの間はそれに守られていますが、その免疫は月日が経つにつれて減少していきます(大体8~12週齢くらいで消失します)
ワクチン接種は自前の抵抗力をつけさせるのに必要なことです トリミングやホテルに出すときもワクチンを打っていることが絶対条件になってきます
しかし打つ打たないは飼い主さんの任意になるので打たなかったからといって何か罰則とかそういうのはありません
初年度のワクチン接種のタイミングは?
・1回目:生後2ヶ月頃…早ければだいたいこのくらいで移行抗体がなくなってくるのでこのタイミングで1回目を打ちます
・2回目:生後3ヶ月頃…1回目だけだと子犬の体に残っている移行抗体が 邪魔をしてワクチンによる抗体が十分にできていない事があるので1回目からだいたい一ヶ月後くらいに2回目を打ちます
・3回目:生後4ヶ月頃…2回打ってなお抗体価が上がりきらないのがあるため最後だめ押しとばかりに3回目を打ちます (ブースターワクチンといいます)
これで初年度の混合ワクチンは終了です これ以降は年一回のワクチンです
なお、1回目のワクチンは大体はペットショップさんで済んでいる事が多いですがあまりにも早く打ちすぎると移行抗体の影響で免疫が全然上がってこない事があるので動物病院によってはペットショップの1回目は無視して病院で打ったのを1回目と数えることもあります そこは獣医さんとよく相談してどうするか決めましょう
混合ワクチンの種類について
コアワクチン
どこで生活しているかなど関係なしにどの犬も最低限摂取を推奨されてるワクチンです
対象になる感染症はかかってしまうとどれも重篤な症状を示します
・ジステンパーウイルス
症状は咳などの呼吸器疾患や下痢などの消化器疾患、神経疾患で致死率は高いです
・パルボウイルス
激しい下痢、嘔吐などの症状または突然死を引き起こします。子犬に多い
・アデノウイルス(2種類)
犬感染性肝炎(アデノウイルス1型)…急性肝炎を起こし、黄疸や嘔吐を引き起こします 子犬で突然死を引き起こすこともあります
犬感染性喉頭気管支炎(アデノウイルス2型)…ケンネルコフと呼ばれる犬かぜの原因の一つと考えられています 症状としては咳が長く続く事が多いです
なお2型のワクチンを用いる事で1型も一緒に予防できます
ノンコアワクチン
・レプトスピラ(*イクテロヘモラジー、カニコーラ)
ネズミの尿などに含まれておりその尿に汚染された土壌や水から皮膚または口から感染します
軽症なものから腎障害や横断を引き起こす重篤なものまで様々なタイプがあり人にも感染する人畜共通感染症です
*レプトスピラは数種類あります
・犬パラインフルエンザウイルス
犬かぜと呼ばれ症状は咳、鼻水、発熱、食欲低下などです この病気は単独感染なら症状が軽いと言われていますが、ほかのウイルスなどと同時に感染すると重篤化します
・コロナウイルス
感染した犬のは排泄物を舐めたりすることで感染します
成犬は感染してもほとんど症状が出ませんが子犬や他のウイルスと複合感染すると重篤化する事があります
扱うワクチンの種類は病院によって違いますがもっぱら少なくて5種から多くて8種でしょう (10種とか11種などを扱うところもあります)
完全室内で外に出ないのなら数の少ないワクチン5種ワクチン、外によく行く、キャンプやドッグランなど自然に触れる(もといネズミがいそうな場所)のならレプトスピラの入っている7種以上のワクチンを打ちましょう
なお打つときはわんちゃんの体調がいいときにしましょう 調子が悪いときに打ってしまうと余計調子が悪くなったりアレルギーが出る事があります
狂犬病予防注射について
混合ワクチンとは違いますがこれもコアワクチンとして指定されているワクチンです
人畜共通感染症で噛まれたりすることで唾液から感染し感染すると風邪のような症状から始まり興奮や錯乱、幻覚、攻撃的になるなどの脳炎症状が出て最終的に亡くなってしまいます 水を怖がる症状も出るので恐水病とも呼ばれます
今現在では日本には存在しない感染症なので打つのは混合ワクチンが終わった後一番最後(1ヶ月後)でいいです しかし法律で打つ事が義務付けられているワクチンなので打った後最寄りの保健所に届け出る必要があります
ただ狂犬病のワクチンは本来は4月から6月までの間に打つものでハガキもこのタイミングで届きます 年度締めなのでもし2月とかに打って届け出ても3月くらいからまた打ってくださいとハガキが届きます
じゃあ打たなきゃダメかといえばそういうわけでもないのでその時のハガキは無視してしまいましょう
確実に打っているのであれば保健所も何もいいません
次打つときに時期を合わせれば大丈夫です
ワクチンアレルギーとは?
ワクチンアレルギーとはワクチンを打った後約24時間以内に出るアレルギーのことで
打った後極端にぐったりしたり嘔吐したり全身掻きむしったり顔が腫れてきた(ムーンフェイス)りします
顔はもう別の子ってくらい変わるのですぐにわかると思います
もしアレルギーが出てしまった場合はすぐに打ってもらった病院か近くの病院に駆け込んで処置を受けてください だいたいの症状は注射1本でおさまりますが今後のワクチン接種は注意しなければいけません
もっとも重い症状としてアナフィラキシーショックというものがあり打った直後または数分後に突然倒れたりなどの症状が出てすぐに処置をしてあげないと亡くなってしまいます
なのでできるなら午前中のうちにワクチンを打って午後から様子を見ててあげられるようにしましょう 打った日はなるべく安静に激しい運動はしないようにしましょう(自分ではしゃいでしまう分には仕方ありませんが…)
シャンプーなどは2~3日空けてから行うようにしてください
なお、アレルギーはどの子にも起こる可能性があり去年まで大丈夫だったのに今年アレルギーになってしまったって子も少なくありません
もしアレルギー症状が出てしまった場合は予防する数が少ないワクチンを打つかもう打たなくていいようにワクチン免除の書類を獣医さんに書いてもらいましょう
免除してしまった場合普通のホテルやトリミングが利用できない事があります もしお断りをされてしまった場合は感染のリスクを承知の上でホテル、トリミング併設の病院に行きましょう
フィラリアについて
フィラリアとは、蚊が媒介する寄生虫のことで、蚊が感染犬の血を吸い血液内のミクロフィラリアを体内に取り込みます その蚊が健康な犬の血を吸うことでそのミクロフィラリアが健康な犬の体に入り最終的に心臓や肺で成虫になり症状として現れます
症状が現れる頃には手遅れという事が多いためしっかりと予防をしていただきたいものです
予防方法
予防方法は月に一回おやつタイプか錠剤タイプかスポットタイプの薬を飲ませる(垂らす)か年一回の注射かになると思います
おやつタイプ
お肉タイプやビスケットみたいなタイプのお薬です 好き嫌いない子やおやつが好きならこのタイプがいいでしょう
一緒にノミダニ予防ができるのもあります
月に一回飲ませます(わかりやすい日にちを決めると忘れにくいでしょう
錠剤タイプ
アレルギーなどの理由でおやつタイプが食べられなかったりする場合はこのタイプでしょう 普通に薬を飲ませるみたいにして飲ませます
一緒にノミダニ予防ができるのもあります
粉やシロップ薬に加工することもできます
注意
上記二つは月一回飲ませる薬です 与え忘れに注意しましょう あと一粒全部が体内に入らないと効き目が期待できなくなることがあるのでご飯に混ぜる場合や砕く場合などは細かい粉まで集めて飲ませてあげましょう
スポットタイプ
背中や頭など舐められないところに垂らすタイプの薬になります 飲ませる手間がなく吐き出される心配もありません 月に一回垂らします(やり忘れ注意)
ノミダニも一緒に予防できます
注射タイプ
注射タイプは年一回で大丈夫な薬です 年中予防できるので秋や冬も摂取でき与え忘れの心配もありません
ただ体重が変動しやすい子犬の時期だけ使用することができません
フィラリアの薬を処方してもらうために
フィラリアの薬をもらうためには動物病院に行って処方してもらう必要があります
なぜなら期間限定で薬を飲んでいる子は薬を飲んでいない期間があるため確実に感染していないか確認するための検査が必要だからです もし感染している状態で薬を使うと血管内にいたミクロフィラリアが大量に死滅しこれを体が異物と判断しアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすことがあります
検査自体は血液一滴あればすることができるので絶対に検査しましょう
一年中予防薬を飲んでいるまたは注射で予防している子は基本的にはフィラリアには感染していないのでそのまま薬を処方してもらうことができます
が、体重によっては薬の規格が変わるので診察には行きましょう
よくある質問
よく4月から蚊がいるから飲ませるのは4月からかとか10月や11月でもう蚊がいないから飲ませなくていいかとか言う人います
そのほとんどの人は薬がフィラリアがつかないようにするための予防薬だと思ってる人だと思うのですがあれは厳密には違うのです
よく予防薬として渡される薬はあれはフィラリアをつかないようにするものではなく
体内に入ったミクロフィラリアを成長する前に倒す駆虫薬に位置し前の月で体内に入ったミクロフィラリアを次飲む薬で退治しますってやつです
だから飲ませる期間が蚊が出そうな月の次の月から蚊がいなくなったであろう月の次と月って感じで決められているのです(なお、この期間は住んでるところによって変わるので注意です)
もし感染が怖いなら年中予防してしまうことをお勧めします
ノミダニ予防について
ノミもダニも年中要心が必要な寄生虫です しかもノミは気温が13℃あれば活動できます
できればノミダニの予防は年中やるのが望ましいです 特にお外によく行く子は必須になると思います 滅多に外に行かない子ででもせめてフィラリアと同じタイミングで予防しましょう
ノミがもたらす脅威
ノミに刺されると激しいかゆみや精神的なストレスを受けます さらに重大な病気を引き起こしたりします
ノミアレルギー性皮膚炎…激しいかゆみや湿疹脱毛が主な症状で一度なってしまうとそれ以降少しのノミ寄生で皮膚炎に苦しむことになります
サナダムシ(瓜実条虫)…サナダムシとは体長が約50㎝くらいになることもある寄生虫でサナダムシの卵を宿したノミをさらに犬猫が食べてしまうことで寄生します 下痢や嘔吐の原因になります
人にもたらす脅威は?
ノミ刺咬症…ノミに刺されることで起こる皮膚炎で掻いてしまうと二次的に細菌感染を起こし症状が重くなる事があります
ダニがもたらす脅威
吸血による貧血や皮膚炎、多くの病原体を媒介するため命を脅かす危険な病気になったりします
犬バベシア症…バベシア原虫が犬の赤血球に寄生して破壊します 症状は貧血、食欲不振、発熱、黄疸などで、急性の場合は亡くなってしまうこともあります
人にもたらす脅威は?
SFTF(重症熱性血小板減少症候群)…感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。検査所見上は白血球減少、血小 板減少、AST・ALT・LDHの血清逸脱酵素の上昇が多くの症例で認められ、血清フェリチンの上昇や骨髄での血球貪食像も認められることがある。致死率は6.3〜30%と報告されている。感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)を介したものが中心だが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されている。治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。
NIDD 国立感染症研究所から引用
日本紅斑熱…症状は頭痛や発熱、倦怠感などでその同時か少し前に紅斑が出ます 死亡例の報告もあり
ライム病…ペットも感染しますが人に感染した場合皮膚症状、神経症上、関節炎などが見られます
寄生のチェック方法
ノミは糞を見つけるべし
- まず目の細かい櫛(できればノミ取り用が望ましい)で被毛を梳きます
- 黒っぽい粒があればそれを濡れたティッシュの上に置きます
- 溶けて赤っぽく染まったらそれが吸血したノミの糞です(赤いのは血液です)
ダニはここを要チェックするべし
頭、耳、耳の中、目に周り、お腹、指の間や背中も………つまり全身です
もし見つけても無理にとってはいけません。下手したら体だけ取れて牙が皮膚に残ったり化膿したりする可能性があります
見つけたら動物病院で取ってもらいましょう
予防薬
ネクスガード
食べるタイプのノミダニの薬です 一回投与することで約1カ月効果が持続します
もし付いていた場合でもノミなら6時間以内ダニなら24時間以内に駆除できます
食べるタイプなのでシャンプーの影響は受けません
フロントライン
スポットタイプ(垂らすタイプ)のノミダニの薬です 舐めれないところ(首の後ろか頭)に滴下する(被毛はかき分けて皮膚に垂らしてください)ことで24時間以内に成分が全身に広がります
ノミなら24時間ダニなら48時間で駆除できます
一応シャンプーの影響は受けないのですが念のため前後1日は空けることをお勧めします
どちらも動物病院で購入可能です
もし時間がない場合は通販で買ってもいいでしょう
ペットショップやホームセンターでも売ってますがあまり効果が期待できないので買わない方がいいでしょう
なお、一回の投与で完全に駆虫しきることはできません 定期的に薬を飲んでノミダニのライフサイクルを崩しましょう
消化管内寄生虫について
消化管内寄生虫はウンチをよく観察して軟便や下痢、何かつぶつぶしてるものが混じってたり明らかに虫だろってやつが混じってたら病院に持っていき検便をしてもらってください
なるべくならその日のうちの便がいいです 持って行き方は袋に入れるかラップで包んでなるべく量多めで持っていくといいでしょう
ペットシーツなどに染み込んでしまったやつは使えないのでご注意ください
検便で虫と判断されたら虫下しの薬を飲ませることになりますので飲んでまた1週間後くらいにまた検便をして完全にいなくなるまで同じことを繰り返します
少しでも残った状態で投薬をやめるとまたお腹の中で増えるので完全にいなくなるまでは飲んでください
最後に
今の時期(4月から6月くらいまで)が犬を飼っている人にとって一番お金を使う時期なのではないでしょうか
でも予防を怠らなければそれ関連の病気を防ぐ事ができますしついでに健康診断などを受けておけば病気の早期発見にも繋がります=少しでも一緒に居られる時間が増えます
なので予防は怠らずしっかりやってあげましょう
以上です 最後まで読んでいただきありがとうございました
フロントラインプラス ノミやマダニの駆除に対象商品は全国配送無料
コメント